文系宇宙工学研究所へようこそ!



    宇宙ニュースが中心のブログです。同人サークル「液酸/液水」の告知ページでもあります。

    告知板  ※IE・Sleipnir・Firefox推奨。
      ようこそ文系宇宙工学研究所へ。
      管理人・金木犀の同人サークル「液酸/液水」の告知ページも兼ねています。

      ロケット打ち上げ見学の案内がメインのはず。種子島、内之浦のロケット&観光情報、最新の宇宙ニュースなどを紹介。
      打上げ見学記「ロケット紀行」シリーズ、打上げ見学と宇宙関係施設観光のためのガイドブック「宇宙へ!」などの同人誌を販売中。


     オススメ・お役立ち  
      ・種子島ロケット見学マップ(PDF版:2010年現在)はこちら(リンク先画面のダウンロードをクリック)
      ・ロケット見学案内記第6版(PDF版:2011年現在)はこちら(リンク先画面のダウンロードをクリック)

    イベント参加予定:東京とびもの学会2017 3月12日(日)於ハイライフプラザいたばし
             おもしろ同人誌バザール3 4月2日(日) 於JR大崎駅南改札前 大崎夢さん橋
             COMITIA120 5月6日(土) 於東京ビッグサイト

      自家通販            委託中(『ロケット紀行』他)通販あり
                 

    「あかつき」通信回復以降の流れ(随時追記)
    金星探査機「あかつき」の金星周回観測軌道投入(VOI-1)の結果について(JAXAプレスリリース)
     結果だけ先に。「あかつき」軌道投入失敗。金星との再会合は6年後。
     詳細は以下に。「はやぶさ」見てた身としては、待つことに慣れてしまった感もあります。軌道計画変更、6年後に投入―そう考えればいいのではないかと。

     今回の「あかつき」軌道投入失敗は残念。だが1回や2回の失敗、つきものだ。米ソの太陽系探査を見よ。どれほどの失敗の上に積み重ねられているのか。「あかつき」本体は生きている。再投入のチャンスもある。それだけでいい。さぁ、長丁場だぞ。付き合う覚悟はできている。「あかつき」、行ってらっしゃい!

    2015年12月9日(水)追記:金星周回軌道再投入成功。やりました!

     私が把握している、「あかつき」運用の流れと現状。

    12月7日(火)
    1.金星周回軌道投入のため、スラスタを吹いた。この時点で探査機は正常だった。噴射開始時刻はAM8:49。8:50:43、計画通り金星の影に入る。ここまでは正常だったようだ。スラスタ噴射時間は720秒。
    2.このときの噴射の大部分は、地球から見て金星の裏側での噴射だった。つまり、通信出来ない状態でスラスタをふかす時間が多かったということ。これは「あかつき」側にプログラムを送って、自動でやった。
    3.噴射が正常に行われたかどうかは、衛星が通信不可帯を抜けないと判らない。
    4.9:12、通信不可帯を抜けるはずの時刻。だが、予定時刻を過ぎても「あかつき」との通信が回復しなかった。この時点で、「あかつき」に何か異常が起こったことが判った。
    5.AM10:28、電波受信。ついで通信回復。ただしこれは低利得アンテナ(LGA、通信速度の遅いアンテナ)なので、計画通りではない。(本来の手順では、まず中利得アンテナ(MGA)で捕捉して状態を確かめ、ついで地球に姿勢を向けて高利得アンテナ(HGA、通信速度の速いアンテナ)を使うはずだった)
    6.その後、通信速度を回復すべく中利得アンテナ(MGA、通信速度も通信可能な角度もそこそこのアンテナ)に切り替えようとするもできなかった。今はLGAでの通信を行い、衛星のテレメトリデータを降ろしている。ということは、太陽電池に日は当たっている=電力は供給されており、探査機は生きているようだ。
    7.16時より記者会見。目新しい情報は出ず。LGAのモードの話は出なかった。現状を把握中。次の記者会見は19時ごろ
    8.19時からの記者会見。現在は海外局で電波受信を試みている。探査機との通信(ダウンリンク側)は確立している。(筆者注:アップリンク側に関しては不明。ただし、「地球からのコマンドが通じている」という説明あり)電波は周期的に変化しており、スピンしているのは間違いない。電波強度の変化周期は約10分(筆者注:周期が安定しているので、ある程度スピンは収束して安定しているらしい)。なお、スピンはスラスタとハイゲインを通る軸を中心に収束するようになっている。恐らくセーフホールドモードに入っていると考えられる(筆者注:確定ではない)。リアクションホイールを用いた三軸制御への復旧を試みている。軌道決定は22時ごろになるだろう。状況証拠だが、スラスター噴射でネズミ花火のようになったのではなく、噴射時の姿勢をほぼ維持したままセーフホールドモードに入っているのではないだろうか。なお、テレメトリが取れていないとのことなので、LGAはビーコンモードではなかろうか。
    軌道投入の成否は不明!
    9.22時の記者会見のまとめ。プロマネが現状の説明。とりあえず探査機は生きていて、通信も継続。そしてテレメトリも取得できている状態。軌道決定はまだできていない。三軸姿勢の確立コマンドを送ったものの通らず。探査機の状態はセーフホールドモードで確定。ローゲインではある程度安定して通信できているが、ミドルゲインだと、1スピン10分のスピン周期の中で40秒しか通信できない。姿勢ずれが原因。現在は、セーフホールドモードのまま低利得アンテナでテレメトリを落とすことにしたとのこと。なお、軌道修正のタイミングは限られており、やるとすれば明日やらなければならないと思う。探査機自体はは壊れていないだろうと思っている。

    12月8日(水)
    1.11時からの記者会見。軌道投入失敗! 軌道測定の結果、金星周回軌道に投入できなかったことが確認された。スラスタ噴射時間が足りなかった(予定の2~3割)模様。なお、現状、軌道投入は全燃料を使い切っても不可能。7年後に再会合するので、その際の軌道修正および軌道投入を検討したい。テレメトリは取得中だが、3軸制御でHGAの通信は確立されている。皆様のメッセージを金星に届けたい。軌道推定の方法>ドップラーシフトと電波の到達時間を使った。次回の投入チャンスは2016年12月および2017年1月の2回。だが近金点370万kmと遠いので、途中で軌道修正が必要だ。この軌道修正によって再会合の時期はずれる。投入できる可能性については、かなり確度は高いと思っている。機器については、テレメトリ上は問題ないが観測機器に実際に電源を入れて確かめないといけない。アンテナ(LGA、MGA、HGA)はみな使えている。
    金星探査機「あかつき」の金星周回観測軌道投入(VOI-1)の結果について(JAXAプレスリリース)
    2.20:30からの記者会見。姿勢系から解析開始。8:51:23 異常発生。他の解析はこれから。今日発表できるのはここまで。噴射2分23秒後に大きく姿勢が乱れている。2分30秒後にx軸のブレが大きくなり、データレコーダが書き込み禁止に。この直後にセーフホールドモードに入ったと思われる。姿勢が乱れた原因は、スラスタノズルの破損や何かがぶつかったなどが考えられるが、推測でしかない。他のデータを解析するなどして確定するまでなんとも言えない。X軸は探査機のカメラを搭載した面を貫く軸、Y軸は太陽電池パドルを装着した面を貫く軸、Z軸はハイゲインアンテナ(HGA)とスラスターを装着した面を貫く軸。リアクションホイールは無事。姿勢系のデータに含まれている。

    12月10日(金)
    11時からの記者会見。テレメトリデータの解析結果についてのレクチャー。
    まず、理学班が金星の撮影に成功した。カメラは全て正常に動作。フィルタ等も正常。6年後にリベンジしたい。あと、姿勢変動の履歴に誤りがあった。噴射開始後143秒後と説明した姿勢変動時刻だが、実際は152秒後だった。振れ角は360度ではなく42度。金星投入時のデータは、全てダウンロードできた。姿勢系、電源系、推進系、通信系、データ処理系、熱制御系の確認をしたが、姿勢系と推進系以外に異常はなかった。現象としては、燃料の圧力がおかしい動きをしている。酸化剤圧力には問題はない。この現象は何を意味するのか、今後にどういった影響を与えるかは地上テストの結果なども勘案して検討中。なお、スタッフもそろそろ限界なので、土日は休みにした。続報は来週。

    2015年12月7日(月)
     8時51分頃からVOI-R1運用。姿勢制御用のスラスタを約20分間、減速方向に噴射して金星軌道への再投入を行う。
     噴射は正確に行われたことを、テレメから確認。精密な軌道測定を行って、2日後に結果がわかるとのこと。

    12月9日(水)
     「あかつき」が周回軌道に乗ったことを確認。
     近金点高度400km、公転面からの軌道傾斜角約3゜、遠金点高度44万km、周期約13日14時間。
     火星探査機「のぞみ」の軌道投入断念は、奇しくも同じ12月9日。2003年のことだった。あれから12年、日本の探査機が、やっと他の惑星に届きました。

    2016年3月31日
     試験観測の中間報告を行った。
    記者会見用資料(PDF直リンク)
     「ミニマムサクセス」(探査機として最低限達成するべき目標)に相当する観測に成功し、さらに観測を継続している。
     観測機器は正常に動作しており、姿勢制御用の燃料も充分に残っている。いまのままなら燃料は5年版程度は持ちそう。
     4月には、米オックスフォード大学での学会で「あかつき」の成果に基づいた発表が予定されている。
     現在、観測データは全て下ろせてはいない。トラブルではなく、臼田宇宙空間観測所のパラボラに雪が積もっていて運用できていないため。
     本格的な観測開始は6月を目指している。<イマココ


     「あかつき」の通信アンテナの種類と特徴。
     高利得アンテナ(ハイゲインアンテナ(HGA)、通信速度:速、通信可能角度:狭。お皿):通信速度32kbps
     中利得アンテナ(ミドルゲインアンテナ(MGA)、速度、角度:中):通信速度512bps
     低利得アンテナ(ローゲインアンテナ(LGA)、通信:遅、角度:広。サバイバル性に富むアンテナ。きのこ):通信速度8bps

    ローゲインアンテナ(低利得アンテナ、LGA)はなぜ重要なのか:
     LGAの特徴は「通信速度が遅いが受信可能範囲が広い」ことだ。これが何を意味するかというと、探査機が正常な姿勢でなくなってしまったときにも通信がつながる可能性が高いということだ。地上にいるスタッフが衛星の状態を把握する手段は、電波通信を通してデータを得ることだけである。なので、探査機が異常を起こした時は、探査機の発する電波によって位置を確認した後、地上から「お前今どんな状態だよ」と電波で問いかけるとになる。
     なので、まずは探査機の電波が受からないとどうしようもないのである。異常を起こしているわけだから、どこにいるかも判らない。電波だけが頼りである。

     LGAは通信可能角度が広いので、精度は悪くとも「この辺にいる」と把握するための灯台になる。精度を出すためには、ドップラーシフトを調べて、位相差が計画内にあるかどうか調べたり、地球上の二箇所以上の場所から、同時に電波発信源を測ればいい。三角測量の原理である。居場所が判ったら、地上からの問いかけ(復旧運用)である。通信速度は遅いので、一回に聞ける質問は少ない。「のぞみ」や「はやぶさ」で行った通称「1bit通信」は、この復旧運用の手法である。質問に対して「Yes」なら電波を停め、「No」なら電波をON(逆もある)、つまり、1回に聞ける回答は「Yes or No」の1bit。なので1bit通信なのだ。時間はかかっても、探査機の状態が把握できる。これが重要なことなのだ。

     探査機の状態が把握できないと、具体的な不具合箇所の特定や、復旧手順が考えられない。むろん想像で補う部分もあるのだろうが、それは少ないにこしたことはない。つまり、LGAは探査機と地上を結ぶ命綱なのである通信可能角度の広さと、通信速度は遅くとも状態把握に必要なデータは降ろせ、更にこちらから数は少ないが命令を送ることも出来る。探査機のサバイバル性を高めるため、LGAは非常に重要なアンテナなのである。「のぞみ」の経験はここに生きている。

    別窓 | 宇宙開発 | コメント:3 | トラックバック:0 |
    <<【告知】タモリ倶楽部に出演します | 文系宇宙工学研究所 | 「あかつき」に消ゆ?>>
    この記事のコメント
    おつかれsまあですー

    1番 8:49に噴射開始から 8:50:43の影に隠れるまでは、運用室の反応をみていても、正常だったようです。


    5番の項目を補足、金星の影からでてきたら、計画ではMGAを使って通信を行う予定でした。
    んで、MGAで通信できてから、地球指向にしてHGAに切り替えを行う運用です。

    というかたちで、補足させていただきました。
    2010-12-07 Tue 16:59 | URL | lica #-[ 内容変更]
    >>licaさん
    中継ありがとうございました。
    早速反映します。
    2010-12-07 Tue 17:11 | URL | 金木犀@管理人 #NrBA8kAs[ 内容変更]
    火星つ非営利組織は火星へ人類を移動し、都市を構築できるようにするために最初にする予定です。スケジュールによると、それは2023年に起こる、単に"火星レース"の他の参加者よりも速くを若返らペアに置かれる - 米国、中国、ロシア [url=http://medbaz.com/news-more-902.html].[/url]

    誰もがこの問題について考えている? # notraty
    2013-03-20 Wed 09:22 | URL | Prohoreacl #Mc7mczzQ[ 内容変更]
    コメントの投稿
     

    管理者だけに閲覧
     

    この記事のトラックバック
    | 文系宇宙工学研究所 |
    1. 無料アクセス解析