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    「きぼう」について
     先日第一便が打ち上げられた「きぼう」モジュールですが、ひとつだけ見直したことがあります。

     マスコミでの報道が多かったことです。

     最近は改善されてきましたが、日本のマスコミが日本の宇宙開発を取り上げるときは、「失敗したときだけ大きく取り上げる」「お金のことしか書かない」といった傾向がありました。
     例を挙げましょう。先日の「だいち」の解像度がノイズ等の影響で要求スペックを下回っていた、という事に関しての、読売新聞の記事はひどいものでした。(この問題は、現在は解決しています)
    (ヨミウリオンラインの当該記事が流れているため、私の保存していたデータから全文を引用)

    550億円の陸域観測衛星、誤差やノイズで地図作れず

     全世界の2万5000分の1の地図(基本図)の作成を主目的とした宇宙航空研究開発機構の陸域観測衛星「だいち」の画像データが、予想以上の誤差やノイズ(乱れ)の影響で、基本図を単独で作るには精度不足であることが8日、明らかになった。

     国土地理院は、この画像データを、基本図の修正・更新の際に使う構想だったが、現地測量を追加しなくてはならないため、約4300面ある日本の基本図のうち完成したのは硫黄島など52面にとどまっている。

     基本図は、すべての地図の原本。日本全土は高度6000メートルからの航空写真を使って作製しているが、道路建設など土地変化の情報を随時反映させなければならない。国土地理院はこのため、同衛星が2006年10月に運用を開始してから年間700面のペースで画像を利用する予定だった。

     航空写真に比べると、単価が数百~数十分の1と安い上、航空機を飛ばさなくても定期的に更新画像を撮影できるのが理由だ。

     日本の基本図作りの地形データは、誤差5メートル以下という高精度が求められる。しかし、同衛星の画像は、等高線を決める「高さ情報」の誤差の大半が6メートル前後に集中していた。宇宙機構によると、打ち上げ前は誤差5メートル以下を想定していたが、衛星の姿勢制御が完全にはできず、高さ情報に誤差が生じるという。

     さらに、画像のノイズがひどいこともわかった。衛星画像は地上送信時に圧縮されるが、撮影した地表面の様子が予想以上に多種多様だったため、元の画像データに戻すことができなかった。宇宙機構は「事前に地上試験を行ったが、見抜けなかった」としている。

     同衛星の開発費は約550億円で、政府予算が投入された。姿勢制御については地上から修正を試み、回復の見込みがあるが、画像のノイズ修正には限度があり、同衛星単独での基本図作りは絶望視されている。宇宙機構は「基本図作りの衛星としては初めてだったので、想定外のことが起きてしまった。今回の経験を次号機に生かしたい」としている。

    (2008年1月9日3時4分 読売新聞)


     同じ事に関して、共同通信では以下のように書いています。

    観測精度不足、衛星だいち 目的の地図更新は難航

     宇宙航空研究開発機構の陸域観測技術衛星「だいち」が予定した観測精度を出せず、主たる目的だった国土地理院による全国の地図修正が難航していることが9日、分かった。

     宇宙機構や国土地理院は、データを補正するプログラムなどを補って克服したいとしている。

     だいちは、全国約4300枚に及ぶ国土地理院の2万5000分の1地形図の修正に生かすため、標高を誤差5メートル以下で測ることを目標に開発された。しかし2006年1月の打ち上げ後、これまでに達成できた観測誤差は6メートル前後。撮影の際に衛星の姿勢を制御する難しさなどが理由という。

     また、観測データを圧縮して地上に送る影響で、画像の境目に不具合も発生。従来の航空写真のような鮮明さが得られていないという。そのため観測データは国土地理院が目指していた頻繁な地形図の更新には生かせず、これまでに利用できたのは全国で52枚分にとどまっているという。

    2008/01/09 22:06 【共同通信】


     それが、今回の扱いは何でしょう。ミッション内容について分かりやすく書かれましたし、だいたいどこの新聞も1面で取り上げましたし、何より民放テレビで中継がありました
     初の国産有人施設、スペースシャトル(H-IIAより知名度が高い・・・)、日本人宇宙飛行士が参加、「国際」宇宙ステーション、といった視聴率が取れる要素が並んだからなのでしょうか、それとも宇宙ファンやJAXAの広報活動の成果が上がってきたのでしょうか。(後者なら嬉しいですが)
     打ち上げられるまではほとんど取り上げられてこなかったし、特別に扱われていた訳ではないと思うのですが。まあ、筑波の一般公開に行った際には、これでもか! というくらい大きく宣伝していましたので、JAXAから何らかのPRやてこ入れがあったのかもしれませんが・・・。
     「きぼう」自体は、もはや「ぜつぼう」と呼びたいくらいだと思っていますが、こうして日本の宇宙開発のPRに役立つなら少しは救われるのかな、と思っています。

     願わくば、今後の日本の宇宙開発も、「きぼう」同様マスコミで大きく正確に取り上げられますように。

    ・補足:YMコラム No.419(配信元:日本惑星協会 配信日:2008/3/12)

     追記
     2006年秋の筑波宇宙センター一般公開で、「きぼう」の写真を撮っていましたので、再度貼り付けます。
    元記事:筑波に行って来ました(2006/10/21)
     「きぼう」船内部   kiboh-sengai
    左:手前の黄色い物が船内実験室、奥の銀色が船内保管室(今回打ち上げられたのはこの部分)
    右:透明ビニールで覆われたのが船外実験プラットフォーム、青い被服で覆われた棒がロボットアーム

     筑波には他に、国際宇宙ステーション計画の負の遺産となってしまったセントリフュージが屋外展示されています。
    (「きぼう」打ち上げの見返りとしてアメリカに供与されるはずでしたが、NASAの計画見直しで打ち上げはキャンセル、筑波送りに)

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    この記事のコメント
    はじめまして。客観的なデータはなく、私感によるものですが、おそらくマスコミが宇宙開発をたたかなくなったのは、女性宇宙飛行士が増えてきたことと関連性があると考えています。
    マスコミの聴取層は、おもに主婦であるため、多くの男性が従事していた宇宙開発は、「叩けば叩くほど」視聴率が取れたけれども、女性宇宙飛行士が増えてきた今日では、むしろ「宇宙での女性の活躍」をアピールしたほうが視聴率が取りやすくなった、という事情があるように感じます。
    2010-09-08 Wed 15:41 | URL | 通りすがり #T/jjhrOs[ 内容変更]
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