文系宇宙工学研究所へようこそ!



    宇宙ニュースが中心のブログです。同人サークル「液酸/液水」の告知ページでもあります。

    告知板  ※Flash環境推奨。
      ようこそ文系宇宙工学研究所へ。
      管理人・金木犀の同人サークル「液酸/液水」の告知ページも兼ねています。

      ロケット打ち上げ見学の案内がメインのはず。種子島、内之浦のロケット&観光情報、最新の宇宙ニュースなどを紹介。
      打上げ見学記「ロケット紀行」シリーズ、打上げ見学と宇宙関係施設観光のためのガイドブック「宇宙へ!」などの同人誌を販売中。


     オススメ・お役立ち  
      ・種子島ロケット見学マップ(PDF版:2010年現在)はこちら(リンク先画面のダウンロードをクリック)
      ・ロケット見学案内記第6版(PDF版:2011年現在)はこちら(リンク先画面のダウンロードをクリック)

    イベント参加予定:コミティア122 配置:K-56a 於東京ビッグサイト 11月23日(木・祝)
            :おもしろ同人誌バザール4 配置:57 於ベルサール神保町 10月28日(土)
            :コミックマーケット93 (当落待ち)

    イベント以外での本の購入は以下のバナーをクリック↓
        紙版:自家通販     紙版:ショップ委託(通販あり)
         

         電子書籍配信          電子書籍配信
         

    「あかり」電力異常の続報:宇宙開発委員会傍聴記
     5月25日の宇宙開発委員会の例会を傍聴してきました。「あかり」チームはまだまだやる気のようです。
    平成23年第16回宇宙開発委員会配付資料(PDF/サーバの回線速度が遅いので表示に2~3分かかります)
    以前の記事はこちら>【訂正有】赤外線天文衛星「あかり」に電力異常発生

    宇宙開発委員会(第16回)の開催について
     議題に入っていませんでしたが、報告があるだろうとあたりをつけて、傍聴に行ってきました。
     以下、メモを元に箇条書きにて。説明者は「あかり」プロマネの村上浩さん。

    ・まず「あかり」の今までの成果の概要と搭載機器の現状説明。これは目新しい話題ではない。HPを見れば載ってい話。
    ・冷凍機が劣化して、性能が落ちている。2010年5月から観測は停止して、冷凍機の復帰に向け作業をしていたところだった。
    ・「あかり」の軌道は、12ヶ月のうち9ヶ月は全く日陰に入らない軌道。ちょうど今頃、夏至の前後1ヶ月半くらいは20分程度の日陰に入る。(その後の説明により、一周回(約100分)当たり20分が日陰と思われる)
    ・バッテリ劣化は日陰に入る前に起きていたのだろう。劣化した状態で日陰に突入したので電圧が下がってバッテリが切れた。

    Q:充放電のサイクルは設計回数に達したのか?
    A:達している。必要な電力を供給できるギリギリまでマージンを使い果たした状態。本当にギリギリ。
    Q:冷凍機を使わないと観測は出来ない?
    A:全く出来ない。(注:撮像素子は冷却運用前提の設計であり、高温だとノイズに埋もれてホワイトアウト)
    Q:液体ヘリウムで望遠鏡全体を冷やしていた(注:既に計画宇通り枯渇)が、どんな意味があるのか?
    A:液体ヘリウムは望遠鏡を冷やすため、冷凍機は撮像素子を冷やすためのもの。望遠鏡本体を冷やすのは望遠鏡自身の放出する赤外線を減らすため。
    Q:故障が直る可能性は?
    A:どこが悪いかまだ解らないので、それを見てみて直せるかどうか検討したい。なお、バッテリが復活しなくても8月中旬からは日陰に入らなくなり、連続して運転可能。

    池上委員長「元気に復活することをお祈りします」

     ということで、「あかり」の運用修了はまだ先のことだと思われます。撮像素子は無事のようなので、冷却さえできればまだまだいけると踏んでいるのでしょう。
     一つ前の記事は訂正します。頑張れ「あかり」チーム!

    別窓 | 宇宙開発 | コメント:0 | トラックバック:1 |
    【訂正有】赤外線天文衛星「あかり」に電力異常発生
     5月25日の宇宙開発委員会の例会を傍聴してきましたが、どうも「あかり」チームはまだまだやる気のようです。
    平成23年第16回宇宙開発委員会配付資料(PDF/サーバの回線速度が遅いので表示に2~3分かかります)
     続報はこちらから>「あかり」電力異常の続報:宇宙開発委員会傍聴記

    赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)の電力異常について(JAXAプレスリリース)

     先日の「だいち」に続き、「あかり」も寿命を迎えつつあるようです。
     プレスリリースを読んで分かるのは以下の事実。
    1.バッテリの蓄電量の低下により、軽負荷モードに移行し、搭載観測機器、Xバンド送信機の電源がオフ状態となっていることが、内之浦局での受信データにより判明。
    2.その後、蓄電量の低下が進み、日陰により衛星への電力供給が断たれた後、日照により初期状態に移行したことが確認された。
    3.現在は、太陽電池パドルによる電力発生のある時間帯のみ、衛星への電力供給がなされている。

     2に分かりづらい表現があるので、ちょっと解説を加えます。
     「蓄電量の低下が進み、日陰により衛星への電力供給が断たれた後、日照により初期状態に移行した」というのは、「バッテリ切れ→太陽電池に日光が当たって発電開始→その電力でオールリセット→打ち上げ直後のまっさらな状態に戻った」ということだ。3と合わせて読むとよく分かります。
     起きている現象は非常に単純で、「バッテリが死んで太陽電池に光が当たっているだけ動く」ということ。ちょうど、バッテリーが寿命を迎えたパソコンや携帯電話が、充電プラグを差している間だけ動作するのと同じです。問題は、人工衛星のバッテリは交換できないという点にあります。

     とどのつまりは、バッテリが寿命を迎え、必要な蓄電量が確保できなくなったということでしょう。これから夏にかけ、日陰帯を通過するようになるので、運用終了宣言も近いように思います(個人的予想です)。ちょっと早いですが、長いことお疲れ様でしたと言っておきましょう。
     宇宙開発委員会でのやりとりの様子から察するに「あかり」チームはまだまだやる気のようです。

     自分が打上げを見に行き始めた頃に上がった衛星が、次々に寿命を迎えています。ちょうど一世代分を見届けた、と言えるくらいの見学歴になったのですね。感慨深いです。
    「あかり」(ASTRO-F)プロジェクトサイト
    (ISAS/JAXA)
    P1040042.jpg P1040063.jpg
    打上げを待つM-V-8/ASTRO-F「あかり」と、打ち上げ直後のM-V-8(ともにphoenix氏撮影)

    snapshot20110524214324.jpg snapshot20110524214308.jpg
    左:雲に突っ込む直前  右:雲をオレンジに染めて南へ翔ける(ともに金木犀撮影)

     日の出直後、明暗境界線をなぞる軌道への打上げだったため、地上は朝、上空は夜という、稀な条件下の見学でした。朝から夜へのグラデーションに染まる雲がオレンジに染まるのは、凄絶な風景でした。


     最近、更新がさよならニュースばかりですね。もうちょっと雑談っぽいことやイベントレポなども書きたいのですがねぇ。

    別窓 | 宇宙開発 | コメント:2 | トラックバック:0 |
    さよなら、陸域観測技術衛星「だいち」
     少し、昔の話をしようか。

     宇宙が好きで好きで、行ってみたくてたまらない青年がいた。けれど、お金も技能も資格もないので、今は行くことが出来ないのがはっきりしていた。青年は考えた。何か、代わりにできることはないのかと。
     そんなとき、JAXAが人工衛星の愛称を募集した。地球表面を撮影し、地図を作るのに役立てたり、災害時の緊急観測を行う衛星だという。青年は考えた。名付け親になれば、わが子が宇宙に行くのではないかと。そして、宇宙から見た地球の写真をたくさんたくさん送ってきてくれるのではないかと。
     1週間悩んだ。考え出した名前は「だいち」。安直すぎるかもしれないと思いつつも、とにかく送ってみた。

     忘れた頃になって、結果が届いた。

    厳正な審査の結果「ALOS」の愛称は、貴殿からご提案頂きました「だいち」に決定いたしましたので、お知らせいたします。

     躍り上がった。祝杯を挙げた。
     名付け親は487人。私もその中の一人。

     2006年1月24日(火)午前10時33分、私は丸ノ内のJAXAiにいた。種子島に行くことは叶わなかったが、せめて我が子の旅立ちをたくさんの人と見送りたかったのだ。カウントゼロ、噴き上がる白煙、轟々と唸るエンジン。「だいち」を載せたH-IIA F8は、意外とあっけなく冬の空へと消えていった。打上げは成功した。
     数日後、データ処理系の異常検知機能がはたらきびっくりする場面もあったが、1月28日、定常状態へと移行。

     ファーストライトは、2月15日に届いた。
    PRISM http://www.jaxa.jp/press/2006/02/20060215_daichi_j.html
    PALSAR http://www.jaxa.jp/press/2006/02/20060217_daichi_j.html
    AVNIR-2 http://www.jaxa.jp/press/2006/02/20060217_daichi-2_j.html

     命名者に送られる賞状が届いたのは、2006年3月11日の午後だった。
    daichi.jpg
    賞状と、一緒に送られてきたグッズ。

    diachi_c.jpg daichi_p.jpg
     左:ファスナーアクセサリ 右:ピンバッジ

     その後、ニュースやプレスリリースで「だいち」の名前を見るのが楽しみだった。今、どんな活躍をしているのだろう? そう思うと胸がわくわくした。スマトラ沖地震、四川大地震、ポーランド洪水……色々な自然災害の緊急観測を行い、世界に貢献した。地形図/地図の作成に必要な画像精度が出ないという問題も出たが、ソフトウェア改善で乗り切った。
     最後の大きな仕事は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の緊急観測であった。400枚以上の写真を撮影し、被害の特定に役だった。

     そんな「だいち」に突然の異常が発生したのは、2011年4月22日(金)朝のことだった。電力異常……機能維持に必要な電力が発電できていないというのだ。ぞっとした。電力を糧に生きる人工衛星にとって、電力喪失は即喪失認定につながる重大問題。
     しかし、「だいち」は宇宙にある。祈ることしかできない。1日、1週間……そして、約3週間が経過した。

      参考:「だいち」(ALOS)の現状を聞いてきた:宇宙開発委員会傍聴
      http://bookworms.blog12.fc2.com/blog-entry-853.html

     2011年5月12日(木)、携帯電話に一通のプレスリリースが舞い込んだ。

    件名:「陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の運用終了について」

     午前10時50分、停波コマンド送信。送信機とバッテリを停止するコマンド列が、高度700kmを飛ぶ「だいち」に向かって放たれた。それで、一巻の終わり。覚悟はしていたが、やっぱりこたえた。
     
     今宵は我が子にねぎらいの献杯を。お疲れ様、ありがとう。

    ・陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の運用終了について http://www.jaxa.jp/press/2011/05/20110512_daichi_j.html(JAXAプレスリリース)
    ・「だいち」のラストライト http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jalos_final_scene_2011422.htm(ALOS公式サイト)

    別窓 | 宇宙開発 | コメント:0 | トラックバック:0 |
    【プレスリリース転送】陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の運用終了について
    陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の運用終了について
    http://www.jaxa.jp/press/2011/05/20110512_daichi_j.html


     宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の電力異常発生後、約3週間に亘って「だいち」との交信を試みてきました。しかし、このたび交信不能と判断し、平成23年5月12日(午前10時50分)に「だいち」の停波作業(注1)を実施し、これをもって同衛星の運用を終了しましたのでお知らせいたします。
     「だいち」は、平成18年1月24日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット8号機により打ち上げられ、設計寿命3年、目標寿命5年を超えての運用を通じて、地球観測に関する多くの成果をあげてきました。
     これまでの運用にあたり、ご協力をいただいた関係各機関及び各位に深く感謝いたします。
     なお、電力異常の原因については、これまでに入手できたデータを元に、引き続き調査を行い、文部科学省の宇宙開発委員会等の場で報告することとしております。


    「だいち」の実績・成果
    (1)全世界を観測し、5年間で650万シーンを撮像。
    (2)災害緊急観測活動による貢献。
      ・要請に基づき年間約100件の大規模災害を観測し、国内外へ情報提供。
       (四川省地震の際に中国から感謝状を受領)
      ・災害発生時の撮像に加え、平時のハザードマップ作りや活火山モニタリ
       ングなどにも貢献。
      ・東日本大震災では400シーンの撮像を行い、10府省・機関へ情報提供し、
       政府の情報集約に貢献。
      ・「だいち」がこれまで海外の大規模災害へ積極的に対応してきたことに
       より、東日本大震災では、国際災害チャータやセンチネルアジアによる
       海外から約5,000シーンの提供を受けた。
    (3)国土地理院での2万5千分1地形図の作成・更新に「だいち」データが利用
      され、また、アフリカ諸国の地図作成にも利用。
    (4)ブラジルの森林伐採監視(ブラジルから感謝状を受領)、世界銀行との
      協力(気候変動の影響監視)など、地球環境分野でも貢献。


    注1)「だいち」搭載の送信機とバッテリーを停止するコマンドを地上より送
       信すること。
    注2)「だいち」の主要な成果につきましては、以下の平成19年4月18日、平成21年2月25日、平成22年2月17日及び平成23年4月6日の宇宙開発委員会報告資料をご参照下さい。

    (1)平成19年4月18日 宇宙開発委員会報告資料
    陸域観測技術衛星「だいち」の定常観測運用での成果について
    http://www.jaxa.jp/press/2007/04/20070418_sac_daichi_j.html


    (2)平成21年2月25日 宇宙開発委員会報告資料
    陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の定常運用段階終了と後期利用計画について
    http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090225_sac_daichi_j.html


    (3)平成22年2月17日 宇宙開発委員会報告資料
    陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の後期利用段階の利用状況について
    http://www.jaxa.jp/press/2010/02/20100217_sac_daichi_j.html


    (4)平成23年4月6日 宇宙開発委員会報告資料
    東日本大震災のJAXAの対応について
    http://www.jaxa.jp/press/2011/04/20110406_sac_earthquakes_j.html


    別紙:「だいち」が捉えた最後の地球
    http://www.jaxa.jp/press/2011/05/20110512_daichi_j.html#at


    発表日:平成23年5月12日 発表:宇宙航空研究開発機構
    ───────────────────────────────────
    関連リンク
    陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
    http://www.jaxa.jp/projects/sat/alos/index_j.html


    ALOS解析研究プロジェクト
    http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/index_j.htm
    別窓 | 宇宙開発 | コメント:0 | トラックバック:0 |
    【速報】「だいち」(ALOS)停波、運用終了
    本日、2011年5月12日のJAXAプレスリリースで、かねてから電源系に不具合を起こしていた陸域観測衛星「だいち」(ALOS)について、5月12日、停波コマンドを送り運用を終了した旨発表されました。
    http://goo.gl/fb/DITim
    別窓 | 宇宙開発 | コメント:0 | トラックバック:0 |
    コミティア96サークル参加
    本日、東京ビッグサイトで開催される「コミティア96」に参加します。
    新刊は、『今は、さよなら JAXAi閉館レポート&LE-7Aエンジン搬出レポート』。3月の東京とびもの学会で、諸事情が重なり落ちた本です。
    当日告知になってしまいましたが、よろしくお願いします。
    別窓 | 同人 | コメント:0 | トラックバック:0 |
    | 文系宇宙工学研究所 |
    1. 無料アクセス解析