文系宇宙工学研究所へようこそ!



    宇宙ニュースが中心のブログです。同人サークル「液酸/液水」の告知ページでもあります。

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      ようこそ文系宇宙工学研究所へ。
      管理人・金木犀の同人サークル「液酸/液水」の告知ページも兼ねています。

      ロケット打ち上げ見学の案内がメインのはず。種子島、内之浦のロケット&観光情報、最新の宇宙ニュースなどを紹介。
      打上げ見学記「ロケット紀行」シリーズ、打上げ見学と宇宙関係施設観光のためのガイドブック「宇宙へ!」などの同人誌を販売中。


     オススメ・お役立ち  
      ・種子島ロケット見学マップ(PDF版:2010年現在)はこちら(リンク先画面のダウンロードをクリック)
      ・ロケット見学案内記第6版(PDF版:2011年現在)はこちら(リンク先画面のダウンロードをクリック)

    イベント参加予定:ニコニコ超会議2017 4月29・30日(土祝・日)於幕張メッセ
             COMITIA120 5月6日(土) 於東京ビッグサイト

    イベント以外での本の購入は以下のバナーをクリック↓
         自家通販        ショップ委託(通販あり)       電子書籍配信
             

    CS5本入稿しました
     コみケッとスペシャル5 in 水戸にて発行予定の本、本日入稿しました。

    「はみだしロケット紀行 総集編」
    はみだし総集編表紙
    A5/本文40p/既刊持参の方は割引あり

     内容としては、既刊の「はみだしロケット紀行1~3」をまとめたものになります。
    (内容紹介>http://ekisanekisui.blog.shinobi.jp/Entry/6/
     当日、「はみだしロケット紀行」既刊をお持ちになった方には、1冊につき100円引きにて頒布します。(お持ちになった本には、引換済の印を本に付けさせて頂きます。割引後の最低価格は100円です。ご了解下さい)
     なお、本書の制作に伴って、「はみだしロケット紀行1~3」は頒布停止します。

     当サークルの配置は

    1日目(3月21日)2階 B46b

    です。ご来訪をお待ちしています。

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    現在地:金沢駅待合室
    喫茶店で寝こけて電車を逃すという大失態。0347発のきたぐに号で挽回する予定です。
    で、今日行った羽咋のコスモアイルの写真をば。
    http://bit.ly/9AwNYc
    後日枚数と解説が増えます。
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    現在地:夜行急行「能登」車内
     今日の午後、急に金沢に行きたくなりました。久々の思いつき旅行。
     あっち行くなら夜行列車だなあ、と思って、空席を調べてみました。すると、なんとまあ、空いているではないですか。
     こうして、行きは急行「能登」、帰りは寝台列車「北陸」を使っての旅をすることにしました。

     乗車券は「北陸フリーきっぷ」を利用します。追加料金なしで「能登」指定席、「北陸」B寝台(ソロ含)に乗れるすばらしい切符。ただし東京特定区内~フリーエリア内に入るまで、途中下車できません(エリア内は乗降自由、特急の普通自由席も乗り放題)。4日間有効。

     始発の上野に、発車1時間ほど前に着くと、そこそこな数の鉄さんたちが。どうやら引退が決まった「北陸」を撮りに来ているようです。
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     夕食をとって「北陸」を見送ると、いよいよ「能登」の入線です。

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     昔懐かしいボンネット型の先頭車、クリーム色と臙脂色に塗り分けられた国鉄急行塗装。さあ、昭和時代がやってきました。「ホームライナー」のヘッドマークを外すと、蛍光灯に照らされた「能登」の幕式ヘッドマークが現れました。

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     早速乗り込んで、7号車の前半分、ラウンジに陣取ります。パソコンがあるのは現代ですが、気分は昭和の大学生。これこそ夜行列車の醍醐味。

     つい先ほど、最初の停車駅、大宮を出ました。
     ・・・どうやら、着いたようです。列車は、夜の関東平野を驀進中。
     「能登」よ、行け! 汝、老いてなお健在なれば。

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    「おおすみ」打上げ40周年
     今日は、日本初の人工衛星「おおすみ」打上げから40周年です。「その日」の出来事を物語風にまとめてみました。
     使用画像は、特に断りがない限り私の撮影したものです。
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    「おおすみ」機器構成図(図:JAXA)
     時々勘違いされますが、黒い球は4段目です。その上(図では左)の銀色帽子が衛星本体です。

     1970年2月11日。空は晴れていた。ランチャに取り付けられたL-4S-5は海の方に向かって打上げの時を待っていた。
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    写真:JAXA

     13時25分、点火、上昇。予定の軌道から外れることなく、機体は空へと吸い込まれていった。
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    写真:JAXA

     飛行は順調。第4段分離直後から、米国航空宇宙局の各追跡局から次々とテレメータ信号とビーコンの受信報告がやってきた。しかし油断はならない。きちんと打上げ地、内之浦の上空に戻ってきてはじめて、人工衛星になった、周回軌道に乗ったと言えるのだから。
     果たして衛星は分離したのか。周回軌道に乗れたのか。15時56分10秒、信号入感。予定より2分半ほど遅れたが、「おおすみ」は帰ってきた。この時の関係者の気持ちはいかばかりであったか、私にはちょっと想像できない。16時06分54秒、消感。

     ここに日本初の人工衛星「おおすみ」が誕生した。ソ連、米国、フランスに次ぐ、世界4番目の快挙。ニュースは瞬く間に全国を駆け巡った。全国紙はトップニュースで報じたし、地元では旗行列・提灯行列が行われたようである。
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    左:当時の新聞
    右:内之浦宇宙空間観測所内資料センターの「おおすみ」コーナー

     2周目の電波は18時30分06秒から18時41分23秒の間に受信した。その後受信レベルはどんどん低下し、6周目は微弱、7周目はついに受信することがなかった。最後の受信報告は、日本時間の1970年2月12日4時30分、南アフリカのヨハネスブルグからのものだった。30時間の電池寿命を見込んでいたが、14~5時間で消費してしまった。これは、衛星全体が高い温度にさらされたためだと考えられている。
    「おおすみ」の軌道は遠地点5,151km,近地点337km、当初計画よりもかなり楕円形の軌道であった。そのおかげで、図らずも長い軌道寿命を得ることになった。

     33年後、JAXA発足を間近に控えた2003年8月2日5時45分(日本標準時)、「おおすみ」は大気圏に再突入して消滅した。突入位置は、北緯30.3度、東経25.0度。北アフリカ、エジプトとリビアの国境の砂漠地帯であった。
     同年10月1日、JAXA発足。「おおすみ」はまるで、ISASの歴史と共に歩んだかのような衛星であった。

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    左:内之浦婦人会から贈られた「おおすみ」成功祈願の千羽鶴
    中:関係者の寄せ書き
    右:関係者一同の記念撮影(写真:JAXA)

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    「おおすみ」40周年記念シンポジウムに行ってきた(その4)
     お待たせしました、質疑応答のお時間です。今回で完結です。
     では早速いってみましょう。メモを取り切れていないので、文に粗密がありますがお許し下さい。
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     登壇者は、森田泰弘、的川泰宣、秋葉鐐二郎、小野田淳次郎の各先生。司会は阪本成一先生です。

    質問
     1.有人やらないのか。2.液体燃料の件。3.コンパクト化。

    答え
     まずは2.液体ロケットから

    森田先生:H-IIAやH-IIBが運用されているが、次のステップをどうするかというのは、JAXAでも検討している。固体に比べると斬新なことがやりにくくなっている。ひとつは民間移管され、三菱重工の商業用ロケットになっていること。新しいことをやるのがいいのかいまのまま手堅くコストを下げていくか意見が分かれている。搭載電機部品について、新しいことをやっていかねばならないが、H-IIAをやっているひとたちは余り新しいこと、信頼性を損ねるようなことをやりたがらない。我々は新しいことをやらなければ未来はないと言っているが、JAXAはH-IIAも固体も同じ電機製品なんだから一緒にやりなさいと言っている。やりたい人とやりたくない人が一緒にいるので、ちぐはぐなことになっている。全体としてはやりたくないというニュアンスが強いようだ。今後エンジンを改良して使いやすくしていこうという動きはあるが、固体に比べてロケット全体を変えようという動きは弱いようだ。

    小野田先生:再使用ロケットのの流れの中で、液体で軌道までという話がある。それは難しいが、観測ロケットを再使用型に、液体エンジンでするという研究が始まっている。計画はしっかり立てて、ぜひ早くやりたいと。

     次に1.有人の話。

    的川先生:有人飛行を視野に入れた、「月探査に関する懇談会」というのがある。宇宙基本計画の専門調査会というのに基づいて作られた。今まで4~5回開催された中で、私の意見を度外視して客観的に進んでいることを言うと、今まではずっと、月の探査を無人で、二足歩行ロボットをどのように使ってやるかと言う話になっている。前回初めて有人をどう考えるかと言う議論が出た。宇宙開発戦略本部の考えでは、もう1回か2回有人の話をして終って、有人を視野に入れた月探査懇談会のまとめというのを事務局が作ろうとしている。
     二足歩行ロボットの意見が専門調査会で出たときに、パブコメが求められた。たくさんのコメントが集まって、二足歩行はこてんぱんにやられた。だが、懇談会には十分に反映されなかった。懇談会の中に熱烈に支持している方が何人かいる。報告ばかりで議論は進まなかった。だから(有人の)議論というのはあんまりされていない。そのまま議論が収束したので、ほっとくと、二足歩行というのは下火になって、人型という表現になっているが、高度なロボットを使った月探査という表現が表に出ている。探査をやるとき無人なら、そこで使われるロボットは全部高度なロボットだが、ロボットという言葉をわざわざ使いたくて、そんな話になっている。2015年をメドにしてに月に軟着陸、月面探査の基礎をロボットを使って作っていくという結論になっているようだ。
     個人的な考えでは、有人と月をむりやり結びつけるのはおかしいと最初から意見していたが、取り入れられず、月を視野に有人を考えざるを得ないということになった。この前の懇談会では、有人を目標に掲げて日本はやっていかねばならないという議論が出た。反対意見はないが、慎重論な人が二人くらい。ほとんどの人は有人をやるべきだといっているが、具体化されず、目標に掲げようという話だけ。日本はいま有人の技術の蓄積がどれだけあって、今後どれだけ積み上げて有人に近づいていこうか、という議論になる。有人は、JAXAの報告書などで言葉としてたびたび登場するが、具体的な計画として議論されたことはほとんどなかった。全体として反対が無くて、というのは初めてだった。このままいけばなんでやるんだと言う話になって、日本としては有人を目指してやっていこうというのはおかしくない、という言質が取られたというのが私の見方。JAXAの中では、H-IIBやHTVを元にして有人機を作るという話は出ているようだ。そんな状態。
     余談だが、私は2001年に宇宙旅行ができると思っていた。そうはなっていないが。有人飛行というのは、議論で結論が出るモノではないと思う。大きな決断が必要。

    3.についての答えは無し。

    質問
     L(ラムダ)を上げたとき、観測ロケットをベースにしたから苦労したという話だったが、Lを上げずにM(ミュー)をやったら、成功したか?

    答え
    秋葉先生:歴史に「たられば」はない。Lロケットで何回も失敗したことは財産。あれだけの期間で大きな進歩があったのはLのおかげ。Mは並行して進んでいた。その成果を取り込んでMが上がった。MがうまくいったのはLがあったから。いきなりMをやったら、ものすごい無駄遣いだと言われただろう(笑)

    質問
     熱可塑型燃料を観測ロケットに適用するとコストが安くなり、やりたいところが増えるのでは?

    答え
    森田先生:観測ロケットの燃料が高いので、低コスト化の話がある。例えばの話、観測ロケットに適用して実証した上で、大きなロケットに適用するというステップを考えている。520や310に最初に適用したいなと思っている。

    質問
     空中発射ロケットについて

    答え
    森田先生:ニーズはある。打上げウインドウの制限が無くなる。一段目が軽くなる。また、打上げ方向の制限が無くなる(現在極軌道打上げは一度南西に打ってから南に軌道を曲げているので、能力半減)。ロケットのポテンシャルは倍以上になる。それが魅力的なミッションも当然出てくるだろう。

    的川先生:違う視点から見ると、経産省が予算を付けて研究は始まっており、S-520のように制御可能なロケットはある。ロケットの方はなんとかなるだろう。問題は飛行機。日本にはそこまで成熟した航空技術はないので、海外との協力を考えなければならない。今一番やっているのはアメリカ空軍。これから先、空中発射で小さなペイロードを打ち上げて宇宙で組み立てていくというミッションは伸びていく可能性があるだろう。そういう開発をしないと宇宙開発が先細りになるのではないか。アメリカでは、NASAが無い技術というのは軍がきっちり開発してくる。二枚腰をやっている限りどこの国も追いつけない。日本では簡便に持ち運べて小さなもので能率よくやるというのを精力的にやるべき。その意味で、空中発射は大事な選択肢。

    秋葉先生:空中発射は10数年の実績がある。いろんな制約がクリアできるのがいい。小さいロケットで良いというのではなくて、もっとおおきなモノが運べる飛行機がほしい。100t/衛星2tくらい。飛行機はロケットブースタという考えだ。アメリカはスペースシップワンなど、威勢のいい人たちが民間にいる。民間が主役。そんな時代に入ってきているのでは。

    小野田先生。(空中発射は)再使用型の輸送手段への1ステップとも見られる。小さなペイロードの需要はこれから大きくなるだろう。JAXAが大きなお金をかけてやれるかというと、そうではない。日本は、みんな宇宙が好きなのに、地に足がついてしまっている人が多い。柔軟なところからそういう活動を初めていただければいいなと思う。

    質問
     東海大のハイブリッドロケットチームの方。今までの固体は、宇宙研の衛星を打ち上げるために作られたものだが、国が作った人工衛星以外の国産小型衛星を宇宙に届けるような手段はできないものか。ピギーバック以外の手段で超小型衛星を宇宙に送れないか。ビジョンを聞かせて欲しい。
    (筆者ツッコミ:ピギーバック以外で、というのをあえてJAXAに聞くのか? 今学生なら、そういう手段を自分で作った方がいいのでは?)

    答え(メモが間に合わず、断片的になっています。ご承知下さい)
    森田先生:観測用ロケットSS-520を2段式にすると、軌道に乗せられたりする。コスト的に実現できていない。ただ、そういう何らかの仕組み、システムは規格化したいと考えている。

    小野田先生:低コスト化。再使用型ロケット。ぜひJAXAをご利用いただければ。

    阪本先生:これからは機会が増える。今年度は小型人工惑星が飛ぶ。小型衛星でなにをするか、をJAXAにアピールして欲しい。

    小野田先生:JAXAに関わらずやりたいということでしょ? なら、そういう世の中にしなきゃ。モデルロケットが近いことやってるけど、まだ制約が多くて、やりたい連中はアメリカに行ってやってる。
    (参考:武蔵野ロケットクラブ(アメリカでモデルロケット打ち上げてのは、この中のぺイロードプロジェクトチームです)http://www.oshiba.com/mrc/mppu2009.html なお、武蔵野ロケットクラブ(MRC)は、昨年はSOMESATプロジェクトに協力していました。以下のロケットの機体側を作ったのはMRCです。)



    的川先生:宇宙の仕事をやろうと思うとJAXAの枠内でしかできない。なので、定年になった途端に力がなくなってしまう。今の日本は、宇宙開発だけに限らず、アイデアややる気がある人たちを生かせない国家だ。だから、NPOなどで民間の力を強めていかねばならない。他を抜きにして、宇宙開発関連だけが幸せになることはできない。社会全体が幸せになるようにこれから日本を変えて行かないといけない。そんな意味でもKU-MAを宜しくお願いします。

    以上。

     これでレポートは最終回です。おつきあいありがとうございました。
     私の感想は近々まとめてアップします。

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    「おおすみ」40周年記念シンポジウムに行ってきた(その3)
     最後の登壇者は、森田泰弘教授。宇宙好きには言わずと知れた、次期固体ロケット「イプシロン」のプロジェクトマネージャを務める先生です。話しぶりは非常に穏やかで、聞き取りやすいのです。
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     演題は「日本のロケットの将来像」。写真多めです。

     次期固体ロケットは、M-V退役直後から開発に着手したのだが、制約があってなかなか進んでいない。最近になってようやく本格的に進み始めた。(注:予算が付いたから?)
     次期固体は「イプシロン」という名前だが、その由来は内之浦から初号機が無事に上がったら説明したい。(注:新型固体の射場についてはいろいろ意見があったようですが、どうやら内之浦のようです)
     的川先生も述べたことだが、日本のロケット開発史について軽くおさらい。(注:この部分はカットします)森田先生が宇宙研に憧れたきっかけは、ハレー探査ミッションだったのだとか。
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     M-Vは、世界で唯一の、惑星探査と太陽同期ミッションに活用可能な固体燃料ロケットである。他国より10年は進んでいる。

     この辺りからイプシロンの話に。(次期固体とイプシロンという単語が入り交じりますが、同じモノです。)

     イプシロンのLEO(低軌道打上げ能力)は、1.2t。(ちなみにM-Vは250kmへ1.8t、500kmへ1.1tなので、ロケットの能力的には概ね2/3)小型で低価格なロケットで小回りが利くように打上げ、チャンスを生かすようにしたい。
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     イプシロンの基本コンセプトは、機体性能の最適化、運用の効率化、地上設備のコンパクト化である。
     まず、機体性能について。
     第1段は既存のもの、H-IIAのSRB-Aを基本的に流用。ありものなので低コストでできる。第2段は、M-Vの第3段やキックモータをベースにして改良。低コスト化を図りさらにおつりが出るくらいいいものを開発したい。上段はサイズこそ小さいがロケット全体の性能に対する影響は大きく、安物は使えない。
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     ロケットのインテリジェント化について。自律点検システムを作りたい。例えば、自動車は、エンジンキーをまわすときにエアバッグなどの自律点検を行い、問題がなければエンジンがかかる仕組みだ。
     打上げ前の自律点検ができるようになれば、運用人数の削減や射場設備の簡素化などができ、低コスト化につながる。発射準備期間はM-Vで47日かかったが、次期固体だと6日になる予定。(頭胴部取り付け以降はM-Vで11日、次期固体で1日)運用経費はM-Vで10億、次期固体で1億の試算。
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     上段ステージ(ポスト・ブースト・ステージ)の話。2段目の上に小型の液体燃料エンジンを使う段を乗せ、軌道投入精度を上げる。
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     マルチ・ローンチの話。主衛星500kg級、ミニ衛星50kg級、マイクロ衛星5kg級の同時打ち上げシステム。5kg級マイクロ衛星はインターフェースを標準化して、ユーザーフレンドリーにしたい。
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     イプシロン性能諸元。3段式、LEO1.2t、打ち上げコスト30億円、開発コスト200億円。2013年度が初号機打ち上げの目標。3段目のモータの型番が"KM"だった。
     将来の話。イプシロン発展型や増強型など。更に、ロケットの製造設備の効率化も考えているとのこと。
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     新たな固体推進薬の開発もしている。従来は熱硬化型なので非可逆かつ途中で停止できず、大規模設備が必要だった。いま、低融点・熱可塑な推進薬を開発している。これだと扱いやすいし設備も小さく、稼働率も高くなる。小さな設備で製造して、バーとして保存し、使用時に溶かしてロケットに詰める。チョコレートを溶かして型に詰めて冷やすというイメージらしい。
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     更に、ロケットの電気配線をコンパクトにしたい。ワイヤレス化。スライドには「ワイヤレス着火マン」の字。ロケットの搭載電気機器も無線通信にして、配線をなくしたい。ボードレベルで試作はできている。無線の伝送規格はZigBee(家庭用の無線通信規格らしい。Wikipedia:ZigBee)と民生のものを使う。今年度(2011年度?)は実装化の研究と地上燃焼試験での実証をする。
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    まとめ。次世代ロケットは、射点設備(ロケット管制)・射場設備(アンテナ系)・製造設備・搭載系の簡素化を行う。
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     以下続く

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    「おおすみ」40周年記念シンポジウムに行ってきた(その2)
     二人目、的川泰宣名誉教授。この方も大御所。初めて知ったのは日本惑星協会のメールマガジンのYMコラムでした。同コラは2010年2月現在配信中ですが、2008年頃までの分が加筆訂正の上、『轟きは夢をのせて』1・2(共立出版)にまとまっています。
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     演題は「Mが開いた世界」。ISAS系ロケットと人工衛星の歴史の概説です。

     以下、流れに沿って。

     まずはL-4Sと「おおすみ」の話。無誘導方式は某新聞から無謀だと言われつつ、苦労の末に成功させた。そこに至るまでは3年半の苦労があった。
     なお、性能計算書の表紙のお遊びラベルは、L-4S-1に始まる。松尾弘毅先生(注:1966年当時は大学院生だったようだ)が綴じ上がった資料の表紙に「サテライト(Satellite)」と入れようと提案したところ、的川先生が「まだ上がるかどうか分からないから「ハテライト(Hatellite)」としたらどうかと提案、そのまま採用となったとのこと。(注:「はて?」の意。現物の表紙は「?」が附され、「Hatellite?」となっている)
     この話は以下のサイトに詳しい。
    ・物語「性能計算書」(1):http://www.isas.ac.jp/j/japan_s_history/chapter10/06/01.shtml(JAXA/ISAS)
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     L-4Sは都合5機打ち上げられたが、途中、1年半の中断があった。これは種子島宇宙センター開設にまつわる漁業問題に影響されたものだった。
     以下参照
    ・宇宙・漁業問題の発端:http://www.isas.ac.jp/j/japan_s_history/chapter03/02/05.shtml(JAXA/ISAS)
     その後紆余曲折あって、盆と正月にだけロケットが上がるという、現在の打上げ期間設定に落ち着いた。的川先生はその後漁業交渉にも携わったが、宇宙のことをやりたいのになんで海のことを考えないといけないんだと思ったとのこと。
     ペンシルからL-4S-5/おおすみまで15年。「おおすみ」成功の記者会見は、大学院生だったので一番は字から見ていたとのこと。当時関わった先生でご存命なのはただ一人、らしい。(秋葉先生?)
     なお、「おおすみ」当時の内之浦婦人会長だった田中キミさんは、つい先日(2月4日か5日・・・うろ覚えでごめんなさい)お亡くなりになったとのこと。

    補足:田中キミさんは、ISASニュースNo.217、糸川博士追悼号(1999年4月)に、文章を寄せている。
    ・「糸川先生をお偲びして」http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.217/tokushuu-18.html

     この辺からMロケットの話へ。
     MロケットはM-4S→M-3C→M-3H→M-3S→M-3SII→M-Vと進化していくが、上段から下段へ、だんだんと制御する段数を増やしていったのだとか。
     スライドで歴代科学衛星がずらり。凡て31機、「かぐや」以外は皆LやMで打ち上げたもの。
     1979年にM-3C-4で打ち上げたX線観測衛星はくちょう。打ち上げ前に海外のX線衛星が故障したため、日本から妨害電波がでてるんじゃないか、などという話もあったようだ。
     1985年、M-3SIIロケットでハレー彗星探査機を打上げた。これは固体のロケットによって初めて地球重力圏を脱出した探査機だった。計画が出たとき、JPLは固体燃料で地球を脱出するミッションは無謀だと言っていた。1月に「さきがけ」を打上げたとき、JPLが予想時刻と1秒しかずれていないことを確認し、驚いたという。(スライド:ハレー艦隊)
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     ロケット名の裏話。ISASのロケットはK(カッパ)シリーズから始まってL(ラムダ)→M(ミュー)と来た。順番からすると次のロケット名はNを使うところだが、NASDAに先回りされてすでに使われてしまっていた、らしい。

     次いで、M-Vの話。
     涙の探査機LUNAR-Aのペネトレータは、現在ロシアの探査機に乗せようか、という話があるらしい。
     3号機の「のぞみ」、ついで「はやぶさ」の話。その後は歴代宇宙望遠鏡衛星の話など。「あかり」・「すざく」・「ひので」。
     M-Vについての周辺事情はいろいろ複雑なものがあるようだ。的川先生個人は、もっと活躍できるロケットだったと考えているとのこと。金星探査機「あかつき」も元来M-Vで打ち上げる予定だった。

     次いで最初にちらりと出た、性能計算書表紙の話。歴代の表紙がずらり。

     先生個人の見解。「はやぶさ」はJAXA統合以降は承認されなかっただろう。計画が冒険的過ぎて。この打上げは情報収集衛星とも絡んでいた。更に、漁業協定外の打ち上げとなった。このため的川先生が隠密で関係県漁連に交渉に回り歩いたらしい。2週間呑み続けで糖尿になった・・・。「はやぶさの影に糖尿あり」と笑っておられたが、見えないところで様々な苦労があったらしい。

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     最後は自身のNPO法人KU-MAをよろしく、ということで幕。

     以下続く

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    「おおすみ」40周年記念シンポジウムに行ってきた(その1)
     暦の上では春ですがまだ寒い今日この頃、国立科学博物館で開催された「おおすみ」40周年記念シンポジウムに行ってきました。家事をこなしていたら到着したのが13:30くらい。もう始まってました。

    演題と講演者
    1.「50年後の『おおすみ』は?」秋葉鐐二郎
    2.「Mが開いた世界」的川泰宣
    3.「日本のロケットの将来像」森田泰弘

     登壇者は皆ISAS系の人。

     始めは秋葉鐐二郎先生。「おおすみ」開発に携わった大御所です。
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     以下、発言の概要をなぞります。

     開発者としては、打ち上がるまでの2年半の間に基礎固めができてよかった。その一方、ジャーナリストにはその間に散々いじめられたりもした。「おおすみ」の意義は、最小規模で新たな技術分野を開拓するきっかけになったこと。(注:L-4Sは衛星打ち上げロケットとしては世界最小規模)これが科学衛星の時代の幕開けを告げることになった。
     また、「おおすみ」の成功がNASDA設立のきっかけになった。 
     次世代の宇宙活動は、以下のようなものが理想だろう。
    ・軌道上で組み立てたり建設したりすること
    ・望めば随時、高い頻度で打ち上げられること
    ・射場近傍の環境へ配慮したものであること
    ・もろもろの小型化
    ・空中打上げ(エアローンチ)や海上発射
    ・開発などを国から民間に拡大すること

     私案だが、「おおすみ」50周年記念事業をやったらいいのではないか? X-prise的なもの。
     スライドで示された案は以下の通り。
    ohsumi50th.jpg
    ・単独で、1kgの小型衛星を100万円以下で打ち上げる回収型機体の実証実験
    ・国、民間を問わず参加
    ・費用は懸賞金(>1億円?)
    ・中間成果にも賞金
    ・おおすみ50周年(2020/02/11まで)

     次に可変形状揚力飛翔体の話だったが、「鳥に学べ」以外はちょっと聞き漏らし&理解困難なところがあったので割愛。

     「おおすみ」は衛星時代に入るための突破口であった。50周年で新たな突破口を、とまとめて降壇。

     以下続く

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    コミケットスペシャル5当選・月見・キーボード
     月がとても綺麗なので撮ってきた。明らかに大きく見えたので調べてみたら、極大期なんだそうです。
     プロが撮った写真には及ぶべくもないけれど、自分では満足。

    IMG_4325.jpg
     そのままリサイズ。

    名称未設定-6
     月の部分をトリミング。ちと甘ピンかなぁ。

    機材:Canon EOS 50D、Zuiko 300mm F4.5、OM-EOSアダプタ、x2テレコン(960mm相当)
    設定:ISO200 / 1/25秒

     一昨日、キーボードが壊れました。それもものすごい壊れっぷり。なんと、文章を書いている最中にEnterキーの軸が折れたのです。バネの反動で1cmくらい飛び上がったときには、目が点になりました。
    IMG_1970.jpg

     さすがにEnterキーがないとどうしようもないので、今日は新しいのを買ってきました。壊れたのと同じ、FILCO ZeroシリーズのFKB108Z/JB。FILCOといえば茶軸や黒軸。確かにあの高級感のあるタッチは棄てがたいものがあります(今日は店頭でZeroか茶軸かでだいぶ悩みました)。けれど私はこいつの、いかにもタイプしたぜ! と言わんばかりの打鍵音が好きなのです。
     以前買ったのは2006年の3月ですから、おおよそ4年前。モデルが残っていたのには驚きましたが、さすがにマイナーチェンジしたのか、キータッチが若干違います。壊れた方はもう少し重くてかちゃかちゃしていた気がします。でも満足。FILCOのキーボードは仕上げがよくて、個人的には持っていて嬉しいのです。

     3月のコミケットスペシャル5、どうやら受かったようです。
     配置は1日目(3月21日)2階 B46bです。
     夏コミも申し込まねば。
     通販再開しました。けれどほとんど在庫切れ、現状動画編しか売るモノがありません。ごめんなさい。現在「ロケット紀行 vol.9」をCOMIC ZIN様に委託している(通販、店頭とも在庫あり)のでそちらをご利用下さい。

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